出会いとご縁
石金 金澤石材を立ち上げ、初めてお墓を建立させて頂いた際に、
墓地の隣にある畑に毎日通うおばあさんと仲良くなりました。
毎日いろんな話をしていくうちに、
「本当は、おらいでもお墓直したいんだ。使える石は使って直したいんだ…」
という想いをお伺いしました。
「んだら、ほん時は、声かげでけろな」
と名刺をお渡ししました。
それから約三年がたった今年のお盆前、
おばあさんの息子さんからお電話を頂きました。
「家のばあさん、春に亡くなったんだず。お墓直すときは
金澤さんさお願いすろなって言って名刺貰ってたんだっけ。
家のお墓直してもらわんねべが」
ありがたいことに、毎日忙しくさせて貰っている中で、
おばあさんの事は近くに行ったときに思い出す程度でした。
しかし、おばあさんは私の事を覚えていて下さり、
息子さんからお電話を頂いた時は、
嬉しいような悲しいような…複雑な思いでした。
息子さんからは「全て新しく…」とご依頼頂きましたが、
おばあさんの想いを伺っていたので、
使える石は生かして施工させて頂きました。
四つ組、香呂、花立は、山形が誇る最高級石の蔵王石。
元々使われていた石は、クリーニングで生き返りました。
先日、納骨を終え、ご遺族の方々にご満足頂くことができました。
人との出会い、ご縁を痛感したお仕事でした。
施工前の画像で、一番上の石がないのは、おばあさんの想いを推し量るばかりに、
フライングしてしまった私の気持ちです(笑)